「Googleマップに事実無根の悪口を書かれた」 

「自社の評価を下げる口コミを削除したい」 

「削除フォームがどこにあるか分からない」

このようなお悩みはございませんか?

 Googleの口コミは集客に大きく影響するため、悪質な口コミは企業の評判や売上に深刻なダメージを与えかねません。

この記事では、誹謗中傷問題に詳しい弁護士が、ご自身でできるGoogleへの口コミ削除申請の方法から、それでも削除が難しい場合の法的措置まで、具体的な手順を交えて解説します。

悪質なGoogle口コミを放置する4つのリスク

悪質な口コミを放置すると、様々な経営上のリスクが生じます。特に重要な4つのリスクについて解説します。

1. 売上・来客数の減少

多くの消費者は、店舗やクリニックを選ぶ際にGoogleマップの口コミを参考にします。

ネガティブな口コミは顧客の選択肢から外れる直接的な原因となり、売上や来客数の減少に繋がります。

2. 企業イメージの低下

「食中毒になった」「不正請求された」といった事実無根の口コミは、たとえ嘘であっても閲覧者に深刻な不信感を与えます。

一度根付いた悪いイメージを払拭するのは容易ではなく、長期的に企業の社会的な評判を毀損し続けます。

3 .検索順位への影響

Googleマップでは、良い口コミが多い店舗を上位表示する傾向があるため、悪質な口コミは検索順位との関係でも悪影響を与える可能性があります。

たとえば東京で歯科医院を探すため、「東京 歯科医院」とGoogleで検索します。検索結果は次のとおりです。

 Googleマップの表示の横に歯科医院が3つ表示されています。この3つに選ばれると、集客に有利です。

Googleマップの検索結果は①検索キーワードとの関連性②距離③知名度などで決まります。知名度とは口コミ数や星の数、インターネット上の評価などです。

つまり、Googleマップで上位表示するためには、良い口コミをなるべく多く集めることが効果的です。

4. 従業員の離職・採用活動への悪影響

従業員や求職者もまた、企業の評判を気にしています。

「パワハラが横行している」「残業代が支払われない」などの口コミは、既存従業員のモチベーション低下や離職を招き、採用活動においても優秀な人材を確保する上での大きな障害となります。


削除できる口コミと削除できない口コミ

Googleのポリシーに違反するときは削除の可能性がある

Googleは禁止および制限されているコンテンツに関するポリシーを公表しています。

禁止および制限されているコンテンツは以下のように整理されています。

Googleポリシーに違反する投稿は削除できる可能性があります。

虚偽のコンテンツ、偽装行為

  • 虚偽のエンゲージメント
  • なりすまし
  • 誤った情報
  • 不実表示

不適切なコンテンツまたは行為

  • ハラスメント
  • ヘイトスピーチ
  • 不適切なコンテンツ
  • 個人情報
  • わいせつ、冒とく的な表現
  • 性的描写が露骨なコンテンツ
  • 成人向けのコンテンツ
  • 暴力的または残虐なコンテンツ
  • 制限されているコンテンツ
  • 危険なコンテンツ
  • 違法なコンテンツ
  • 子供の安全
  • テロに関するコンテンツ
  • 関連性のないコンテンツ
  • 宣伝と勧誘
  • 不明確なコンテンツ、繰り返し投稿されたコンテンツ
  • 改変、悪ふざけ

なりすましや実体験に基づかないクチコミ投稿

たとえば、競合他社が企業の評判を下げるために顧客になりすまして悪いクチコミを投稿しているケースがあったとします。

このようなクチコミは、「虚偽のエンゲージメント」「なりすまし」に該当して、削除できる可能性があります。

ただし、競合他社が投稿しているかどうかの証明は難しいです。Googleクチコミの投稿は匿名で行われることが多いからです。

なりすまし投稿を理由に削除請求する場合は、投稿者の特定手続きを経て削除申請を行うことが効果的です。

虚偽内容のクチコミ投稿

たとえば、クレーマーが企業の評判を下げるために、まったく嘘の情報もしくは実際に体験した事実を歪めた内容でクチコミ投稿を行うケースがあったとします。

このようなクチコミは、「誤った情報」「不実表示」に該当して削除できる可能性があります。

店舗の商品・サービスと関連性のないクチコミ投稿

たとえば、Googleマップのクチコミに、商品やサービスとまったく関係のない政治的な意見論評をするようなケースがあったとします。

Googleポリシーでは関連性のないコンテンツは禁止されています。そのため「関連性のないコンテンツ」に該当して削除できる可能性があります。

違法なクチコミ投稿

たとえば、著作権や名誉毀損など法的権利を侵害するような投稿があったとします。

Googleポリシーでは違法なコンテンツは許可されていません。そのため「違法なコンテンツ」に該当して削除できる可能性があります。

弁護士の実際の感覚

しかし、実際のところGoogleポリシーに違反している口コミを違反報告しても削除されるとは限りません。むしろ、私の経験では削除されないケースの方が多い印象です。

Google口コミはポリシー違反の投稿であっても削除するのは容易ではないです。

削除できない口コミ

次のような口コミは個人の感想にとどまるので削除できません。

  • 星が1つだけの投稿
  • 「治療に満足がいかなかった」
  • 「先生の態度に改善の余地があると思います」
  • 「料理の味付けが濃かったです」

ただし投稿者がサービスを体験していないのに口コミの投稿をしたときは、なりすまし投稿として削除できることがあります。

【自分でできる】Google口コミの削除を申請する2つの方法

ご自身でGoogleに口コミの削除を申請する方法は、大きく分けて2つあります。

方法1:Googleのポリシー違反として報告する

最も手軽な方法が、Googleビジネスプロフィールから直接ポリシー違反を報告する方法です。

申請手順

1. ご自身のGoogleビジネスプロフィールにログインします。

2. メニューから「クチコミを読む」を選択します。

3. 削除したい口コミの横にある「クチコミを報告」を選択します。

4. 表示された画面で、どのポリシーに違反するか(例:「スパム」「ヘイトスピーチ」など)を選択し、送信します。

この方法は簡単ですが、Googleの判断基準は厳しく、明らかなポリシー違反でなければ削除されないのが実情です。また、審査結果についてGoogleから回答を得られないことが多いです。

そのため、Googleからの回答を希望する場合は、次に説明する方法2がおすすめです。

方法2:法律に基づく削除リクエストを送信する【2025年最新フォーム対応】

明らかに日本の法律に違反している場合は、「法的削除」のリクエストを送信します。こちらはより詳細な説明が求められるため、削除の可能性が高まります。

この申請方法だとGoogleから申請に対する回答もあります。申請フォームは定期的に更新がありますます。

Google口コミに対する最新の削除申請フォームはこちらです。

クチコミから削除申請フォームまでの入力手順も解説します。

申請手順

1. 「法的削除に関連する問題を報告する」ページにアクセスします。

削除したい口コミの横にある「クチコミを報告」をクリックすると、クチコミを報告する理由一覧が表示されます。その中で「法的事項に関するヘルプ」をクリックします。

2. 「Google上のコンテンツを報告」の画面から選択します

下記画面の中から、「Does this request relate to content generated by AI within a Google product?」という項目については「No」をクリックします。

「No」をクリックすると次のような画面が出てくるので、「Googleマップ」にチェックをつけます。

「Googleマップ」にチェックをつけると、「コンテンツを報告する理由を選択してください」と表示されます。「コンテンツを報告する法律上の理由」にチェックをつけます。

「コンテンツを報告する理由を選択してください」と表示されるので、名誉毀損の場合は「その他」を選択します。

「その他」を選択すると、「リクエストを作成」の表示が出てくるのでクリックします。

3. 法的削除に関連する問題を報告する
(1)お客様の情報の入力
  • 居住国: 「日本」を選択します。
  • 氏名: ご自身の氏名をフルネームで入力します。
  • 会社名: 該当する場合、あなたの会社名を入力します。
  • あなたが法的権利の代理人を務める会社または組織の名前: 弁護士など、法的な代理人として申請する場合に、権利侵害を受けている会社名や組織名を入力します。
(2)権利侵害にあたるとお考えのコンテンツ
  • URL: 削除を求める口コミの正確なURLを入力します。URLは、口コミの横にある「共有」ボタンから「リンクをコピー」することで取得できます。
  • URLは以下のいずれかで始まっていることが必要です
    「https://www.google.com/maps/reviews」
    「https://maps.app.goo.gl/」
  • 上記のURLのコンテンツが違法であるとお考えの理由を詳しくご説明ください
    ここが最も重要な項目です。どの口コミの、どの部分が、どの法律(例:刑法230条 名誉毀損)に、なぜ違反するのかを、具体的かつ論理的に説明します。例えば、「投稿内容は事実無根であり、当社の社会的信用を著しく毀損するものである」といった内容を、詳細な状況説明と共に記載します。
    フォームの改正で、文字数制限(1000文字)が設けられました。そのため、要点をまとめて記載する必要があります。
(3)確認と署名
  • 内容が真実であることを確認するチェックボックスにチェックを入れます。
  • 最後にあなたの氏名を再度入力し、署名とします。

削除依頼してもGoogleが応じない理由とは?

ご自身で削除依頼をしても、Googleは応じないことが多いです。その主な理由として、以下の点が考えられます。

  • 単なる個人の感想や意見と判断された: 「料理が美味しくなかった」「待ち時間が長かった」といった否定的な感想は、個人の主観であり、原則として削除対象になりません。
  • 削除依頼の理由が不十分: なぜその投稿が違法なのか、法的な観点からの説明が不足していると、Googleは削除の判断を下せません。
  • Googleの削除の基準を満たしていない:権利侵害の投稿であっても削除されないケースもあります。Googleは明白な権利侵害がない限り、安易な削除には応じない傾向があります。

口コミ削除を弁護士に依頼する4つのメリット

ご自身での対応が難しい場合、弁護士への依頼が有効な解決策となります。

1. 削除の成功率を高める

弁護士は、問題の投稿がどの法律にどう違反するのかを法的な根拠に基づいて的確に主張できます。これにより、ご自身で申請するよりも削除が認められる可能性が高まります。

私の経験上、悪質な口コミの多くは一部の事実を歪曲して、批判や侮辱をしているケースが多いです。このような口コミの削除の成功率をあげるには、虚偽事実の部分と評価の部分を整理しながら主張していくことが有効だと感じています。

たとえば、「スタッフの態度が不愛想でした。」「料理はおいしくないです」という口コミは感想なので、ここに反論をしても意味がありません。

しかし、「料理の中に異物が混入しているのにそれを言っても無視されました」などのように虚偽の事実が含まれている場合は、その部分を中心に削除の理由を作成することで削除の成功率をあげることが可能です。

ここでは分かりやすい例をあげましたが、実際は感想なのか事実の歪曲なのかは判断が難しいケースが多いです。削除の成功率をあげるには経験と専門性が重要となります。

2. 複雑で面倒な手続きをすべて任せられる

法的リクエストフォームの作成や、Googleとのやり取りには専門的な知識と手間がかかります。これらの一切を弁護士に一任することで、担当者様の負担を大幅に軽減できます。

3.法的措置を見据えた対応が可能

削除請求だけでなく、悪質な投稿者を特定し、損害賠償請求や刑事告訴を行いたい場合、法的手続きはさらに複雑になります。

弁護士であれば、削除から投稿者の特定、損害賠償請求まで一貫して対応が可能です。特に、開示請求を検討している場合は、相手に投稿を削除される前に証拠を保全する必要があるため、お早めに弁護士へ相談することが重要です。

4. 感情的な対応を避け、冷静に対処できる

誹謗中傷に対しては、つい感情的に反論したくなります。

しかし、不適切な返信はかえって事態を悪化させ、裁判で不利な証拠として利用されるリスクもあります。弁護士が介入することで、冷静かつ最適な対応を取ることができます。

弁護士による削除請求から開示請求までの流れ

口コミを投稿するのは簡単ですが、一度書かれたものを削除するのは非常に大変です。

私の経験上、悪質な投稿者は、一度削除されても投稿内容を少し変えて嫌がらせを繰り返したり、何度も編集を行って自身の投稿が目に付くように操作するケースがあります。このような悪質な相手に対しては、削除を繰り返すだけでは根本的な解決になりません。

このような場合、投稿者を特定して損害賠償請求、刑事告訴を行うことが有効な手段となります。弁護士にご依頼いただいた場合、一般的に以下の流れで手続きを進めます。

  1. 法律相談
    詳細なヒアリングを行い、投稿内容の法的問題点を分析し、最適な解決策をご提案します。
  2. Googleへの削除請求
    弁護士名で、法的根拠を明記した削除請求の申請をGoogleに行います。
  3. (削除されない場合)裁判所での仮処分申立て
    任意での削除に応じない場合、裁判所に対して投稿記事削除の仮処分命令を申し立てます。
  4. (悪質な投稿者の場合)発信者情報開示請求
    投稿者を特定するため、Googleに対してIPアドレスなどの開示を求めます。
    通常は発信者情報開示命令の裁判となります。
  5. プロバイダへの開示請求
    開示された情報がIPアドレスの場合は、投稿者が利用したプロバイダ(携帯キャリアなど)を特定し、契約者の氏名・住所の開示を求めます。
  6. 損害賠償請求
    特定された投稿者に対し、慰謝料や調査費用などの損害賠償を請求します。

まとめ:Google口コミの削除は、専門家である弁護士への相談が解決の近道です

Googleの口コミはご自身で削除申請を行うことも可能です。

しかし、特に法的な主張が必要なケースや、悪質性の高いケースでは、ご自身での対応には限界があります。不適切な返信をしてしまうと、かえって炎上したり、法的に不利になったりするリスクもあります。

よつば総合法律事務所では、Googleの口コミ削除に関する豊富な経験と実績がございます。単なる削除請求だけでなく、その後の投稿者特定や損害賠償請求まで、企業の状況に応じた最適なサポートを提供いたします。

悪質な口コミにお悩みの企業様、クリニック様は、ぜひ一度当事務所までお気軽にお問い合わせください。貴社の評判と信用をお守りするため、全力でサポートさせていただきます。

監修者:よつば総合法律事務所 弁護士 辻悠祐
プロフィール

大阪弁護士会所属弁護士。よつば総合法律事務所大阪事務所所長。企業法務チームに所属。インターネット上の誹謗中傷の対応、企業及びクリニックの顧問業務、使用者側の労働問題などを担当している。

※上記記事は、本記事作成時点における法律・裁判例等に基づくものとなります。また、本記事の作成者の私見等を多分に含むものであり、内容の正確性を必ずしも保証するものではありませんので、ご了承ください。