誹謗中傷や悪質な口コミは削除請求をしましょう。
この記事では士業の皆様に向けて、口コミを削除できる場合や削除する方法を弁護士が解説します。
なお、削除できるかどうかの判断は難しいです。まずは弁護士へのご相談をお勧めします。
目次
士業の特徴
士業には、税理士・公認会計士・司法書士・社会保険労務士・弁理士・不動産鑑定士・建築士・行政書士・弁護士などがあります。
士業はお客様に信頼していただくことが重要です。お客様の信頼を失ってしまうと業務の継続が難しいです。そのため士業の評価は非常に重要です。
士業の誹謗中傷・口コミトラブルの具体例
士業の誹謗中傷や口コミトラブルには、次のような事例があります。
- Googleマップに悪い口コミが投稿されてしまった。口コミの内容が事実ではなく、お客様への影響が心配。
- 転職サイトに「ブラックです」「パワハラやセクハラがあります」「労働基準法を無視しています」などと悪い口コミが投稿されており、求人に影響が出ている。
- 掲示板で誹謗中傷の対象となっており困っている。
士業の口コミを削除すべき3つの理由
1. 悪い口コミを放置することはお客様との取引機会の損失につながるため
(1) 新規のお客様との取引機会を喪失する可能性があります
士業はお客様の信頼を基本としているので、評価は非常に重要です。
新規のお客様はインターネットなどで口コミを確認し、問い合わせをすることが多いです。
悪い口コミは、問い合わせ件数の減少につながる可能性があります。
(2) 既存のお客様を不安にさせる可能性があります
既存のお客様は、既に取引をしています。誹謗中傷や悪い口コミが投稿されていても、新規のお客様ほどの影響はありません。
しかし、誹謗中傷や悪い口コミをみると、やはり不安な気持ちになる方もいます。
たとえば、社会保険労務士事務所のGoogleマップの口コミに次の記載があるとします。
「元従業員ですが、勤怠管理がされておらず、雇用契約書も作成されていませんでした。長時間労働が常態化しており、労働基準法を全然守っていない事務所です。」
新規のお客様はもちろんですが、既存のお客様も相当不安でしょう。
また、税理士事務所の Google マップの口コミに次の記載があるとします。
「相続税申告をお願いしましたが、控除できる項目を控除しないなど間違いだらけでした。」
新規のお客様はもちろんですが、既存のお客様も相当不安でしょう。
社会保険労務士と税理士以外の士業も同様です。
実際のご相談でお伺いすると、既存のお客様やスタッフからの指摘で誹謗中傷に気づいた方は多いです。悪い口コミは悪影響です。
2. 採用にも影響があるため
応募者は求人情報だけでなく、インターネットで事前に事務所の情報を調べます。
事務所の悪い口コミや誹謗中傷があるとどうなるでしょうか?
たとえば「あそこの会社は労働基準法を守っていない」「女性社員は〇さんからセクハラを受けている」と記載されていると、応募は減ってしまうでしょう。
実際のご相談でも、インターネット上の誹謗中傷で採用に悪影響が発生していることがあります。
悪い口コミは採用に悪影響です。
3. 投稿内容は半永久的に残り続けるため
インターネットやSNSの投稿は、誰かが削除しない限り半永久的に残ります。
投稿者やサイト管理者が自主的に削除する確率は低いです。
そのため、インターネットやSNSでの悪い口コミや誹謗中傷を見つけたときは被害を拡大させないようにしましょう。
士業の口コミを削除できる場合とできない場合
士業の口コミ削除のポイントは以下の2つです。
① 投稿内容が被害者の社会的評価を低下させること
② 投稿内容に含まれている事実が虚偽であること
投稿内容に記載の事実が虚偽で、一般の読者の立場からしても士業の社会的評価を低下させるものであるときは口コミを削除できる可能性が高いです。
具体例で考えていきましょう。
事例① Googleマップで星1つの投稿
「元従業員ですが、勤怠管理がされておらず、雇用契約書も作成されていませんでした。長時間労働が常態化しており、労働基準法を全然守っていない事務所です。」
勤怠管理がされていない、雇用契約書の作成がないという具体的な事情が記載されています。
具体的な事情が虚偽である場合は投稿を削除できる可能性があります。
事例② Googleマップで星1つの投稿
「ここの事務所はあまり合いませんでした」
「合わない」という感想が記載されています。
単なる感想で具体的な事情が記載されていません。削除は難しいでしょう。
自分で行う口コミ削除の申請方法
サイトごとにポリシーを設定しています。
任意の削除申請フォームが設定されていることが多いです。
サイトのポリシーを確認して、投稿が違反事項に該当するか確認します。
その上で削除申請フォームやお問い合わせフォームよりポリシー違反を報告し、口コミ削除の依頼をします。
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士業の誹謗中傷・口コミトラブルでお困りの方へ
①投稿内容が士業の社会的評価を低下させていて②投稿内容に含まれている事実が虚偽である場合、削除請求ができる可能性は高いです。
もっとも、削除できるかどうかの判断は難しいです。実際の削除の手続きが複雑なときもあります。
誹謗中傷や口コミトラブルでお困りのときは、ぜひ弁護士にご相談ください。