誹謗中傷や悪質な口コミは削除請求をしましょう。

この記事では飲食業の皆様に向けて、口コミを削除できる場合や削除する方法を弁護士が解説します。

なお、削除できるかどうかの判断は難しいです。まずは弁護士へのご相談をお勧めします。

目次

飲食業の特徴

飲食店は立地や価格だけでなく、味や接客、お店の雰囲気といった体験が評価されます。

こうした「食べないと分からない」「行かないと分からない」ものを探すとき、人は他人の体験や評価を頼りにします。

まだお店を知らない潜在顧客に選ばれるには、インターネットの口コミ評価が非常に重要です。

飲食業の誹謗中傷・口コミトラブルの具体例

飲食店の誹謗中傷や口コミトラブルには、次のような事例があります。

  • 食べログや Google マップに悪い口コミが投稿されてしまった。
  • 口コミの内容が事実ではなく、ライバル店からの嫌がらせが疑われる。
  • 食べログに「テーブルが汚れていたので食欲が失せた」「コバエが飛んでいた」という口コミが投稿されてしまった。
  • Google マップに従業員の悪口が記載されており、従業員のためにも削除したい。
  • 掲示板で誹謗中傷の対象となっており、困っている。

このような口コミは集客に影響します。従業員採用にも影響します。

ひどい口コミは早急に削除を請求することが好ましいでしょう。

飲食業の口コミを維持すべき3つの理由

お客様に選ばれるには口コミが大切です!

新規のお客様のほとんどは来店前にインターネットの情報を見ます。お店選びの際に8割以上が口コミをチェックすると言われています。

口コミは、食べログやホットペッパーグルメ、ぐるなび、Retty といった専門サイトだけでなく、Google マップや SNS と多岐にわたります。

口コミで評判が良いことは選ばれるために重要です。他方、誹謗中傷や悪い口コミがあると新規のお客様が来店する確率が下がります。

また、既存のお客様が知人にお店を紹介するときは「口コミ評価が高い」のは安心材料です。

新規客や既存客のいずれにも良い口コミは重要です。

従業員の採用のしやすさやモチベーション維持につながる

シェフの腕やホールスタッフの質は、お客様の高評価に直接影響します。良い人材を採用すること、良いスタッフに定着してもらうことは経営の維持発展に必要です。

応募者は、お店が作成した求人情報だけでなく、口コミを消費者側の視点からも事前に確認するでしょう。

「店員の態度が悪い」「店長と思しき男性がアルバイトをいつも怒鳴っている」という口コミがあるとどうでしょうか?

応募する気が失せてしまう確率が高いです。

他方、インターネットで評価が高いのは「ここで働きたい」と思うきっかけになります。評価が良いと、今の従業員が仕事に誇りを持つことにもつながります。よいスタッフが長く働いてくれる確率も上がるでしょう。

良い口コミは、従業員の採用のしやすさやモチベーション維持にもつながります。

投稿内容は半永久的に残り続ける

インターネットや SNS への口コミ投稿は、誰かが削除しない限り半永久的に残ります。

投稿者やサイト管理者が自主的に削除することは少ないです。

そのため、インターネットや SNS での悪い口コミや誹謗中傷を見つけたときは、被害を広げないようにしましょう。

なるべく速やかに削除の請求をすることが望ましいです。

口コミを削除できる場合とできない場合

飲食業の口コミ削除のポイントは2つです。

① 内容が投稿サイトのガイドラインに違反していないか

② 投稿の内容に虚偽の事実が含まれているか

① 口コミの内容が投稿サイトのガイドラインに違反していないか

口コミの内容が投稿サイトのガイドラインに違反していないか検討しましょう。

ガイドラインに違反がある場合、運営者に報告すれば、運営者が削除する可能性があります。

たとえば、食べログであれば以下の内容はガイドラインに違反します。

  • 「店員の態度が気に入らなかったので食べずに帰った」など実際に食事をしていないもの
  • 「ここのお肉を食べると必ず腹痛になる」「経費削減のためエアコンをつけていない」など事実の確認が困難かつお店へ悪影響を及ぼす事柄についての投稿
  • 「テーブルの周りに虫が飛んでいた」など衛生管理面のクレーム
  • 「こんなマズい店に行く価値は無い」など断定的で不適切な表現
  • 「シェフは前科持ち」などプライバシーを侵害するもの

投稿サイトごとにガイドラインがあります。ガイドライン違反であれば誹謗中傷の口コミを消すことができるかもしれません。

② 投稿の内容に虚偽の事実が含まれているか

ガイドライン違反はないときや運営者が削除に応じないときがあります。

個人のSNS上での誹謗中傷もあります。

ガイドライン違反での削除が難しいときは法的手続きによる削除を検討しましょう。

法的手続きで大切なのは②投稿の内容に虚偽の事実が含まれているかです。

投稿内容に虚偽の事実が含まれていて、それにより名誉毀損などの権利侵害が認められる場合には、裁判手続によって投稿の削除を求めることができます。投稿者を特定して損害賠償請求をすることもできます。

飲食業の誹謗中傷・口コミトラブルでお困りの方へ

投稿内容が口コミサイトのガイドラインに違反しているときは削除請求が可能です。

投稿内容に虚偽の事実が含まれていて、それにより名誉毀損などの権利侵害が認められる場合には、裁判手続によって投稿の削除を求めることができます。

もっとも、削除できるかどうかの判断は難しいです。実際の削除の手続きが複雑なときもあります。

誹謗中傷や口コミトラブルでお困りの飲食業の皆様は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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